コラム column

『文化は自分たちで創る ~次世代の子のために~』
福島に新たな風を吹かし、震災復興の希望となるべく活動するパフォーマンス集団をご存知だろうか?
――その名を「ロメオ・パラディッソ」という。
2014年9月中旬に行われたゼミ合宿にて、私たちが宿泊する処に2人のゲストが招かれた。内1人は、NPO法人ふくしま新文化創造委員会という団体で代表理事を 務めている、佐藤健太さんという方である。貴重な時間をもうけ、福島の今後と現状についてお話していただいた。彼のお話を聞く中で、私は1つのパフォーマンス集団 の存在を知った。佐藤さん自らがディレクターを担うこの組織は、ロメオ・パラディッソという名前のもと活動している。震災に遭った福島の地を、多くの人の声援、そして何 よりも現地の大人たちの強いパワーが支えてくれた。この光景を目の当たりにし、「じゃあ若者である我々には何ができるのだろう」と考える。そんな思いを抱いた佐藤さん は、いまだ現状の厳しい福島が再び明るさを取り戻せるよう、”希望”を込めてこの組織を立ち上げたそうだ。
名前にあるロメオ(LOMEO)とは、ローカル・メンズ・オーガニゼーション(Local Mens Organization)の頭文字から取った造語である。その名の通り、構成員は全員 男である。福島出身、福島在住の男を中心に集まり、約30人のキャストが舞台に上がる。2013年11月に行われた旗揚げ公演をスタートとして、2014年5月の第2回 公演も大成功に収めた。この執筆現在、新しいメンバーを迎えて進化した15人のキャストをもって、第3回公演を2015年6月13日、14日に控え、稽古中である。
さて、佐藤さんはお話の中で、福島と原発事故の関係についてこのようなことを話していた。もともと福島には、コレという突出した”ナニか”がなかった。そこに原発事故と いう未曾有の事態が起こってしまった。この瞬間から福島には、「福島=原発」というレッテルが貼られてしまったという。確かに世間からの風評被害を露骨に受けている 場面は、過去何度もあったように思う。しかしこのままでは、我々(佐藤さんのみならず福島の人々)よりも、今後生まれてくる次世代の子たちに悪影響を及ぼしてしまうの ではないかと、佐藤さんは懸念していた。ではどうすれば良いのだろうか。彼は考えた末、「突出したものがなければ自分たちで作ればいいんだ!」という答えに行き着 いた。この思いを起点に、福島を元気にさせようと立ち上げたロメオ・パラディッソは今後100年続くことを目標としている。後世に残る福島の新たなエンターテイメント文化 として確立させていくべく、これからも躍進していくことを願う――
震災から年月を経ることで風化していく、人々の福島への関心。それぞれがどんな形であの出来事に向き合うかは自由である。だが、いまもなお福島の将来のために 精力的に活動している人々の存在を忘れてはならない。たとえ直接的な支援ができないとしても、風化・風評を食い止めることは1人ひとりができるはずだ。関心を向け ることも一つの立派な復興手段だと、私は思う。まずは、できることからやってみるその意識が大切なのではないだろうか。
*ロメオ・パラディッソの詳細
HP:http://func.tv/
Facebook:https://www.facebook.com/lomeoparadiso
福島に新たな風を吹かし、震災復興の希望となるべく活動するパフォーマンス集団をご存知だろうか?
――その名を「ロメオ・パラディッソ」という。
2014年9月中旬に行われたゼミ合宿にて、私たちが宿泊する処に2人のゲストが招かれた。内1人は、NPO法人ふくしま新文化創造委員会という団体で代表理事を 務めている、佐藤健太さんという方である。貴重な時間をもうけ、福島の今後と現状についてお話していただいた。彼のお話を聞く中で、私は1つのパフォーマンス集団 の存在を知った。佐藤さん自らがディレクターを担うこの組織は、ロメオ・パラディッソという名前のもと活動している。震災に遭った福島の地を、多くの人の声援、そして何 よりも現地の大人たちの強いパワーが支えてくれた。この光景を目の当たりにし、「じゃあ若者である我々には何ができるのだろう」と考える。そんな思いを抱いた佐藤さん は、いまだ現状の厳しい福島が再び明るさを取り戻せるよう、”希望”を込めてこの組織を立ち上げたそうだ。

名前にあるロメオ(LOMEO)とは、ローカル・メンズ・オーガニゼーション(Local Mens Organization)の頭文字から取った造語である。その名の通り、構成員は全員 男である。福島出身、福島在住の男を中心に集まり、約30人のキャストが舞台に上がる。2013年11月に行われた旗揚げ公演をスタートとして、2014年5月の第2回 公演も大成功に収めた。この執筆現在、新しいメンバーを迎えて進化した15人のキャストをもって、第3回公演を2015年6月13日、14日に控え、稽古中である。
さて、佐藤さんはお話の中で、福島と原発事故の関係についてこのようなことを話していた。もともと福島には、コレという突出した”ナニか”がなかった。そこに原発事故と いう未曾有の事態が起こってしまった。この瞬間から福島には、「福島=原発」というレッテルが貼られてしまったという。確かに世間からの風評被害を露骨に受けている 場面は、過去何度もあったように思う。しかしこのままでは、我々(佐藤さんのみならず福島の人々)よりも、今後生まれてくる次世代の子たちに悪影響を及ぼしてしまうの ではないかと、佐藤さんは懸念していた。ではどうすれば良いのだろうか。彼は考えた末、「突出したものがなければ自分たちで作ればいいんだ!」という答えに行き着 いた。この思いを起点に、福島を元気にさせようと立ち上げたロメオ・パラディッソは今後100年続くことを目標としている。後世に残る福島の新たなエンターテイメント文化 として確立させていくべく、これからも躍進していくことを願う――
震災から年月を経ることで風化していく、人々の福島への関心。それぞれがどんな形であの出来事に向き合うかは自由である。だが、いまもなお福島の将来のために 精力的に活動している人々の存在を忘れてはならない。たとえ直接的な支援ができないとしても、風化・風評を食い止めることは1人ひとりができるはずだ。関心を向け ることも一つの立派な復興手段だと、私は思う。まずは、できることからやってみるその意識が大切なのではないだろうか。
*ロメオ・パラディッソの詳細
HP:http://func.tv/
Facebook:https://www.facebook.com/lomeoparadiso